僕は稲を刈りながら、自問自答した。
「こんなんコンバインでやったらいいやん!」
「ちょっとだけ稲を刈ったところで誰の食卓にも貢献せーへんし、農業で食っていく気はさらさらないし、何で僕はこのイベントに参加したんだろう?」
一昨日、2011年から都会の若者が農業や食に触れるきっかけ作りをしている底上げ農業部という団体の稲刈りイベントに参加していた。
その稲刈りの最中にふと浮かんだ疑問。
「なぜ僕は今、この稲を刈っているのか。」
理由を挙げてみると、「半農半Xがいいなと思ったことがあるから」「誰もが農業をやっていたら何があっても生きていけるから」「持続可能だから」「イベントが好きだから」「自然の中に豊かさがあるから」「じじいになったら畑をやりたいから」「旬で採れたれのものが美味しいから」
などと出てくるのだが、何かしっくりこない。
理性で判断していなかった。
日を置いて何回か問い直した時に、ようやくその答えらしきものが見つかった。
それは、「慣れ」だ。
単純に僕が農業というものに慣れているだけだ。
ハードルが全く高くない。汚れるとかよく分からないとか知らない地域の人と話すのが恐いとか虫が嫌いとか全く気にならない。
メリットもよくよく知っている。
田舎の静かな空気を吸うことができ、草木の虫を見つけたり、土に足を取られたり、自然を味わえたりする。
鎌で稲を刈る時は五感で体感しながら稲刈りをする。こうやって丹精込めて作物を作っているんだなぁと農家の人たちに思いをはせられる。作業で一汗かいたあとは、みんなで最高に美味しい料理を食べられる。
今まで何度となく楽しい経験をしているから、無意識的に行きたいと思う。
きりがないほど数多くのメリットがあり、慣れていてデメリットがないため、
「友達に誘われてお茶を飲みに来た」くらいの感覚で僕が稲刈りに来るという現象が起こっていた。
そんな感じだ。まぁゴチャゴチャ考えたのは時々で、やってる時は楽しくやっていました(笑)