UCL(University Collage London)というイギリスの大学、
ややこしいのでざっくり言うとロンドン大学に公衆衛生を学びに行ってきました。
公衆衛生、なかでもSDH(健康における社会的決定要因)について勉強しにきたので、
一週目は朝から晩まで、月曜から金曜日まで授業を受けっぱなし。
健康の国際比較から、仕事と健康、子供の成長と健康の話など、
健康に関わる要因について、まぁ色々聞いてきた。
慣れない英語の授業で、脳みそフル回転でも3割くらいしか分からなかった。
しかも休憩ごとに色んな海外の人とも自然に話さないといけなくて、
ランチタイムなんか1時間くらい話さないといけない(笑)
1日1日が精一杯だった。
英語が下手な日本人って感じに舐められたくないし、堂々としつつも笑顔で、自分らしくあろうとした。
「英語って本当にいるのかな?」と思ったけど、やっぱりいる。
英語は「手段」だから「目的」にはしたくないと思ってたけど、
世界の情報をすばやく掴むには英語を使えるようにするしかない。
今世界は73億人もの人がいて、日本は1億3千万人だ。
10人でアイデアを出すよりも700人でアイデアを出した方が、残りの690人からも面白いものが出て、
そのアイデアをもとに世界は変わっていくに違いない。
1億人のフィールドではなく、73億人のフィールドにいないといけないと思った。
これからは、地球に立つ。
↑これが授業を受けていたメンバー。約20カ国から学びにきていた。仕事は博士、学者、医師、歯科医師が多かった。
授業は本当に面白かった。
具体的な内容としては、
・親の収入で子供の肥満になるリスクが5歳で2倍、11歳で3倍変わりうる。
・仕事でストレスかかっていると、心臓病になるリスクが1.4倍上がりうる。
・どんな職業かだけで、心臓病になるリスクが1.4倍上がりうる。
・子供の睡眠時間が毎日一定でないと問題行動の発生率が上がる。
・生活環境の違いが、イギリスの中でも寿命が10年も変わりうる。
・歯磨きをするように介入をしても、親の社会経済的地位が高いと改善するのに、親の社会経済的地位が低いと改善しないことがある。
などなど。
徹底的にデータに基づいていて、どの程度か数値で示されていて、勉強になった。
結論としては、「命には格差がある」ということ。
その格差を縮めないといけない。
「その人の意思や能力に関わらず、元気に長生きできない世界」をほうっておけるのか。
それに格差が大きければ大きいほど、
健康度の高い人の寿命も下げることを東大の近藤直己先生が証明したし、
同じように経済成長も落ちることを経済学者ピケティが証明した。
健康格差を縮めたいと思うし、これからの世界はそこに向かうだろう。
一緒に授業を受けていた人やロンドンに居合わせた人たちと。一番右の美女が今回UCLに誘ってくれた先輩ドクター。
本当に誘ってくれて感謝。
最初は断っても、いい感じに何回か誘ってくれる姉御的存在(笑)
あっという間に1週間の授業が終わって、
せっかくなので友達とカンタベリーという街に向かった。
ちょうどEU離脱に関わる国民投票があり、その調査に来ていた。
「今からカンタベリー行くけど、一緒に行く?」
って言ったら付いて来てくれた(笑)
街あり、自然あり、歴史あり。
一つ一つのものに美しさがあり、
日本にはない街全体の統一感がある。
柵とかベンチとかゴミ箱とか全部黒に統一されていて、めっちゃお洒落。
カンタベリーに住む人に誘ってもらい、
それがとっても気持ちよくって。
俺も何か音楽しようかな。
「お休み〜」って言ったあとから盛り上がるっていう、
高校生の修学旅行みたいな感じになってた(笑)
お互いの色々話をして、
俺も自分は消費社会の歯車になるべくならないように、環境に配慮した生き方をしようと思った。
本当に充実の2週間だった。
ここに来れたことに感謝。
広い視野を持って、意味のある予防医療を実践していきたいと思う。