僕が総合診療医をやめて診療を「足」に特化した理由

ご無沙汰しています。久々の更新です。

最近は本当に日々が充実していて、毎日が面白いです。

facebookではちょこちょこ何をしているか分かる投稿をしていますが、ブログにはなかなか手が回っていませんでした。

プロフィールも修正したのですが、一番の変化は、4月から診療を「足」に特化したことでしょうか?

実は総合診療医を辞めました。起業と研究もしているので、診療には週1-2日しか取れず、総合診療医としての定期診療を一旦終えることにしました。

ただ気持ちは患者さんと真摯に向き合う総合診療医のままです。専門外でも貪欲に学ぶ精神は一生忘れないつもりです。

 

足病医になった経緯


学生時代に予防医療が絶対に今後の世界で重要!と感じ、予防に関することを手当たり次第やってきました。

食事、運動、ヨガ、睡眠、呼吸法など、みなさんが「健康」と言われたときに思い浮かべることはひとしきりイベントを開催したり、本を読み漁ったりしてきました。

その中で、まだ十分に認識されていなかったり、社会実装されていないのが、SDH(Social Determinants of Health;健康における社会的決定要因)と運動器予防だと思います。

健康は個人の問題だと思われがちですが、もっと上流の原因には、社会環境や住環境、職場環境などがあります。

また運動器予防が本当になされていないなぁと痛感しています。運動器とは骨や筋肉に関することで、関節の痛みや腰痛、肩こりなどです。

街で歩いていても、「この人は将来100%膝を痛めるだろうな」とか分かってしまう人が沢山います。女性だと1割くらいいますね。

なぜそんなことが分かるようになったかと言うと、自分自身がそうだと気づいたからです。

私自身がO脚で扁平足で、歩き方が汚かったんです。。。なかなか気づかなかったのですが、結構ヤバかったです。

今は日々、自分の身体の使い方を意識して、洗練させていこうとしていますが、時間がかかるし、モチベーションの維持が大変です。

こんなのはすぐに日本中、世界中の人が治せるものではありません。例えば「歩き方を綺麗にする」なんて優先度の高いものではないです。

そんなことより、仕事が忙しい!とか、彼女が欲しい!とか、iPhoneの新しいのが欲しい!とかそんなことの方が優先されがちです。

だからと言ってほうっておけば、将来膝や腰を痛めます。現在の65歳以上の高齢者の2-3割が膝や腰が痛く、両方合わせると2人に1人は困っています。身体の使い方がよくないと、痛みを抱えるおじいちゃん・おばあちゃんになると思った方がいいですね。

世界中で問題になっており、アメリカで22.7%、ヨーロッパでも22%の人が筋骨格系の問題があり、最も頻度が高い健康障害と報告されています[1][2]。

医療費も循環器疾患、癌の次に運動器疾患がきますし、要介護の主要な原因でもあり、関節疾患と骨折・転倒を合わせると25.4%にのぼります(平成28年国民生活基礎調査)。

生活習慣病と同じくらい大事なのに、生活習慣病に比べると大した対策がなされていません。

これは、自分の人生をかける価値があるなと思いました。

そういうわけで、総合診療医から足を専門に診る「足病医(そくびょうい)」に転身することを決心しました。

 

足病医とは?


私の場合は、足専門の整形外科医のようなものです。

病気はだいたいが、慢性的なストレスによって発症しています。例えば糖尿病は慢性的に血糖値が高いことで合併症を起こします。血圧も、慢性的に高いから脳出血などするわけで、一時的に高くなっても身体は対応できるのです。

運動器疾患も同様で、慢性的に膝の関節や腰の骨にストレスがかかっているせいで、変形してきたり、痛みになるわけです。

特に重力がかかる足、膝、腰あたりが問題になってきます。肘や肩があまり変形しないのは、重力による負担があまりないからです。

逆に言うと、一番重みを支える足は、結構たいへんなんです。片足だけで28個も骨がある足は、色んな地面でも対応できる柔軟性と、推進力を出す硬さの両方を兼ね備えます。

つまり運動器の予防において「足」はとても大事なんです。

満足は、「足が満ちる」と書きますし(本当は足りるという使い方ですがw)。

整形疾患で実際に多く診るのは外反母趾や扁平足、足底腱膜炎などですが、足病医は、それ以外に巻爪、皮膚トラブル、むくみ、静脈瘤や糖尿病の足病変なども診ます。

 

おわりに


そんなわけで、現在は起業や研究もしながら、足病医として働いています。下北沢病院というアジア初の足の専門病院で研修・診療させて頂いています。診療日は毎日エコーを使って、患者さんの足の悩みと向き合っています。

何か足に関してお悩みがあれば、どうぞご相談下さい。

 

[1]Centers for Disease Control and Prevention. Prevalence of Doctor-Diagnosed Arthritis and Arthritis- Attributable Activity Limitation – United States, 2010-2012. MMWR 2013;62:869-873.

[2]The European Musculoskeletal Surveillance and Information Network. Musculoskeletal health status in Europe. (www.eumusc.net)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.