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日本老年医学会雑誌の優秀論文賞を受賞!次は国際誌へ。

以前のブログ「検査よりも問診ー高齢者の健康寿命を1.3倍予測」に内容を書いた論文が、日本老年医学会雑誌の優秀論文賞に選んで頂きました!

第26回優秀論文賞でした!2018年に掲載された原著論文28本のベスト3に選ばれたようです。

とても光栄なことで、素直に嬉しく思います。自分としては結構いい論文を書いたけどあまり反響がなかったな、と埋もれた感じがあったのですが、認められてよかったです。

副賞で10万円もらえるそうですww表彰式が6月に仙台であるそうなので、ついでの仙台家族旅行にでも当てようと思います。

国際誌を狙う次の論文も認められるように頑張って書き上げたいですね。

次の論文は「痛み」にフォーカスしています。自分の起業のテーマでもあり、人生のテーマです。

人生100年時代になり、人は長く生きられるようになりました。次は、その中身が重要になります。要介護の原因の1/4を占めるのが「痛み(ロコモ)」です。骨が変形したり、骨折してからでは遅いので、この予防をどうするか。

研究では視点を広く、痛みを起こす地域の要因を探っています。

現在千葉大が中心となって、高齢者10万人〜30万人規模のアンケートを3年に一度実施しています。JAGES(日本老年学的評価研究)というプロジェクトですが、最近WHOでも世界的な成功事例として特集されました(Knowledge Translation for Healthy Ageing: the Japan Gerontological Evaluation Study (JAGES))。

このJAGESデータを使って、地域レベルで痛みをみています。

そうすると、痛む人が多い地域では、最大39%、痛む人が少ない地域では最小10%という結果が見えてきました。

つまり、痛む地域と痛まない地域があるということです。

みなさんの街はどうでしょうか?

地域差を生む原因は、個人だけで説明できるものなのか?もしくは地域にも原因があるのではないか?ということで、地域レベルで痛みの原因を探す研究を実施しています。

起業では個人の歩き方や歪みに着目し、それを改善できるようなサービスを作っていますが、研究では地域の問題に注目し、その改善を提案するような論文を書いているわけです。

そして研究でも原因として注目しているのが、「歩くこと」です。

ある程度結果は出てきているので、あとは英語論文にするだけ。でも何度も解析し直したり、書き直したりでなかなか進まないんです。。。研究に当てる時間が少なすぎるというのが一番ですが。

最近はほぼ事業に時間を当てているので、研究日か日曜日で時間取れたときに進めるという感じですが、もうすぐ博士4年で最終学年なので、勢いでバッと書き上げたいと思います!

試すことに失敗はない。「仕事は楽しいかね?」を読んで。

「仕事は楽しいかね」という本を読みました。

この本は非常に薄く、ストーリーがある本ですぐに読めてしまいます。

にもかかわらず深みのある本です。

今回本を読んだあとに、面白かった内容をまとめるためにドッグイヤーをしたところ、ほとんどのページを折り曲げてしまいました(笑)

すぐに読めてしまいますし、とてもおもしろいのでぜひ買って読んで頂ければと思いますが、私の備忘録も兼ねて少し話をまとめて抜粋したいと思います。

 

人は、変化は大嫌いだが、試してみることは大好きなんだ


この本は、真面目に働いてきた35歳のビジネスマンが、雪で飛行機が飛ばなくなり空港で足止めされて、その夜に起業家として巨万の富を築いたおじさんに仕事の本質について色々と話してもらい、一晩にして生き方が変わる、という形で話が進みます。

まず「仕事は楽しいかね?」と聞かれ、「人生とは、くだらないことが一つまた一つと続いていくのではない。一つのくだらないことが<何度も>繰り返されていくのだよ。」と説かれます。くだらないことが続くな、と思ったら何かを変えた方がいいでしょう。

どう変えるのか?それは、試すこと。

試すことに失敗はない

この本の最も重要なキーワードは「試すこと」です。

「人は、変化は大嫌いだが、試してみることは大好きなんだ。」「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る。」「きみたちの事業は、試してみた結果失敗に終わったんじゃない。試すこと自体が欠落していたんだ。」「明日は今日と違う自分になる、だよ」と数多くの胸に響くフレーズが例を交えて続きます。

例えば、アップル・コンピューターを作ったスティーブ・ウォズニアックが第一号をどんな理由で作ったかというと、自家製コンピュータークラブの仲間にただ自慢げに見せただけだそうです。そのコンピューターを売るというアイデアもなく、友人のスティーブ・ジョブスにすすめられたのが始まりでした。

試した結果、偶然が生まれます。「必要は発明の母かもしれない。だけど、偶然は発明の父なんだ」とあるように、偶然を味方にすることが大事です。

 

もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?


偶然のチャンスを見逃さない、というのは思ったよりも難しいかもしれません。「もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?」「だれだって、後からだったら、何だって言える。革新というのは簡単そうに見えるものなんだ、後から見ればね」

例えば、コカ・コーラの話。

コカ・コーラの創始者であるジョン・ペンバートンは、もとは薬屋でした。何十種類もの治療薬を考案して販売していました。ある日、二人の従業員が勝手に新しく作ったシロップの頭痛薬を水で割って飲んでいました。ペンバートンはその時、ソーダを入れたらもっと美味しいんじゃないかと考え、コカ・コーラという名前をつけて店で売ることにしました。

あなたなら頭痛薬を勝手に飲んでいる従業員を見てどうしますか?普通なら怒りますよね?それをソーダにしたらもっと美味しいと言って売り始めたところがコカ・コーラ創始者のすごいところです。

次にリーバイスの話。

リーバイ・ストラウスは、金採掘の鉱夫に必需品を売って儲けようとしたが、テント用の汚い帆布だけ売れませんでした。なんとか売ろうとするも売れず、市場でズボンが品薄になっていることに気づき、テントの生地でオーバーオールを作らせました。そうすると採掘に必要な丈夫なズボンとなり、金の採掘には行けなくなりましたが、見事に金を掘り当てたのでした。

この例でも、ズボンを売って欲しいと言われたときに、「うちはテントの帆布しかないんだ!」と言わずに、偶然のチャンスをきっちり掴んでいます。「売れ残ったテント用の帆布を使って 何をすべきか考え続けてこそ、リーバイスのジーンズを思いつくことができる」わけです。

 

問題を解決しなくてもいい。仲良くなる方法もある


また問題を解決せずに、仲良くなるという方法もあります。

例えば、マジックテープをつくった人は、オナモミの実(引っ付き虫)がウールの服について、払い落とすのに困りました。しかしそこでどんなふうにくっついているのか気になり、顕微鏡で見たところトゲトゲが小さな鈎(かぎ)になっており、ウールの生地は糸の輪になっていることを知ります。つまり実の鈎が、服の糸の輪に引っかかっていました。そして何年も実験を繰り返してようやくオナモミの構造を再現することができ、ベルクロ(マジックテープ)を作ったのです。

私も、「自分の歩き方は見えない」という問題と仲良くなってもいいんだなと思いました。

 

10回中9回失敗するチャレンジだったとしても


チャンスを掴んでも100%成功するわけではありません。むしろ10回中9回は失敗に終わるかもしれません。しかし知っておいてほしいのは「成功の宝くじでは、勝つチャンスは何百と手に入るし、そのほとんどは大損するようなものじゃない」といいます。

例えば、自分が家や車なども合わせて全財産1000万円の資産を持っていて、相手が1億円を賭け、サイコロの目の大きい方が総取りするような勝負があるとします。五分五分で10倍のお金が手に入るとしても、奥さんのことやすべてがなくなることを考えたら勝負には出られないでしょう。でももし持っているものが半分に減るだけだとしたら少しは積極的になるかもしれません。

 

あらゆるものを変えて、さらにもう一度変えること


そして10回中9回の失敗ではなく、10回中8回くらいに確率を上げる方法は、よくしていくことです。「あらゆるものを変えて、さらにもう一度変えること」。

例えば、赤字状態が続いていた紳士服屋の話。

店の中にあるあらゆる商品を並べ替えること、開店時間を朝早くに変えること、熱帯魚の入った大きな水槽を買うことをコンサルタントに言われました。そのとおりにしてみると、水槽の置いてある紳士服の店なんて見たことがなく、店員も創造的になり、出勤前のビジネスマンが入り、同じものでも客が違った風に見え、売上が30%伸びたそうです。

ウォルト・ディズニーも白雪姫の中で、井戸の底で水の向こうに映し出される顔が水面に揺れ、水のしずくがポタポタ落ちて、さーっと波紋が広がる様子を表現しました。まだコンピューター・アニメーションなんてなかった時代に。

 

私の学び


立派なビジョンを持って、それに向かって突き進んだわけじゃない。彼らはみんな、目標設定者でもなく計画立案者でもなかった。彼らは冒険者だったんだ。

孫さんやイチローみたいになろうとしなくていいんです。自分には自分の強みがあるし、自分の冒険を楽しめばいい。私はこの上なく冒険が好きです。自分の中で、心の声に従って色々試して生きてきたけれど、それでいいんだ!と自信になりました。今後も試していきましょう!

そして、これでいいやと満足してはいけないこと。さらによくすること。「こんなもんかな」と思うのではなく、「まず試しに作ってみた。そこで終わらずに、それをもっとよくしていこう!」と考えていきます。

千葉大の近藤ラボに来た意味。3年間を振り返って。

先日千葉大学で月2回の院ゼミがありました。新入生の山下さん、卒業生の八木先生、そして近藤先生のポートフォリオを聞く機会がありました。

その中で近藤先生に見せて頂いた線画の例えがとても印象的でした。一本一本の線を一ヶ月に見立て、なんとなくの流れに見えても、振り返って全体を見直すとその意味を新たに見出すことができ、一旦パラダイムが見えると、そのようにしか見えなくなるというものでした。

一見ただの線に見えるが、ひっくり返すと人の顔が見える

人生というスパンで振り返ることの大切さを改めて実感しました。
そこで少し気が早いですが、私の人生にとってこの近藤ラボでの2-3年にはどういう意味があったのだろうかと疑問が浮かびました。俯瞰的に見て、3つの意味があると考えました。

1.アカデミックの軸足をつくる
2.ビッグデータを用いたPublic Healthを学ぶ
3.近藤先生というロールモデルを追う

 

1.アカデミックの軸足をつくる


私は予防医療の普及に尽力したいと考えており、自分の強みは医師であることです。これから産官学の様々な場面で医師としての見解を問われることになりますが、その時にアカデミックの視座が欠けると効力は半減するのではないかと思います。

人生100年で考えたときに、10代は教養、20代は医療、30代は起業、40代〜70代はまだ分かりませんが、80歳まで現役でいけると仮定して残り約50年あるわけで、アカデミックの軸足を固めることができれば、50年間役立つものだと思います。

 

2.ビッグデータを用いたPublic Healthを学ぶ


公衆衛生(Public Health)は「みんなの健康」を考える学問です。多くの人に健康になってもらう上で、欠かすことができない視点です。その中でも社会の中で生きている我々は、その社会に健康面でも強く影響を受けています。

例えば、先日のNHKスペシャルでJAGESのビッグデータをAIに食わせたものでは、「本や雑誌を読む」人は他の健康につながる要素との関連が多いことが分かりました。ピンピンコロリで良い成績の山梨県は図書館が全国1位で県の人口を上回る年間92万人の人が図書館に訪れると言います。本人の意図に関わらず図書館を増やせば、自然と健康になるかもしれません。そういった健康のために社会環境を整えることの意義を学ばせて頂いています。

実際に先の論文では1万人のビッグデータを、今回は2万4千人と800地域のビッグデータを使って研究を進めています。今後は起業の方でもリアルワールドデータを扱うため、必ず役立つものだと思います。

 

3.近藤先生というロールモデルを追う


厚生労働省、ハーバードやWHOにも認められているJAGES(高齢者30万人の縦断研究)を構築した近藤先生は、退官を控えてしぼむどころか、壮大な夢を掲げて、後継者教育、省庁をまたいだ健康施策、大企業を巻き込んだ仕組み作りに着手しています。近藤先生を知る人は、みな尊敬の念を覚えます。そんな近藤先生を身近に感じ、その姿勢や考え方を吸収させて頂いています。

 

おわりに


現段階で私が近藤ラボに来た意味はこの3つになりますが、あと1年ちょっとでこれらをさらに深めるであったり、新しい学びを掴み取っていきたいと思います。

検査よりも問診ー高齢者の健康寿命を1.3倍予測

少し前になりますが、私が執筆した論文がアクセプトされ、雑誌に掲載されました。

「高齢者総合機能評価は健診よりも健康寿命喪失を予測する:JAGESコホート研究」というタイトルです。ざっくり言うと、「検査よりも問診が大事だよ」という話ですね。

医師が診療するときには、問診(話を聞くこと)と身体診察で診断の8割が決まると言われています。同じように多くの人の健康状態を測る健診においても、問診が大事だという話です。

実は健康診断では異常を見つけられても、その後の指導にはあまり効果がないと言われています[1]。イギリスの有名な雑誌に掲載された論文のタイトルは「健診はリソースの無駄使い」とまで書かれています[2]。それに対し、高齢者に問診して様々な面をチェックする高齢者総合機能評価(CGA)というものを用いると、健康寿命が伸びるという報告があります[3]。

もし問診の方が健康寿命を予測するならば、針を刺したりして侵襲性が大きく、コストも大きくかかる健診には疑問の余地が生まれます。話を聞くだけで健康寿命が十分わかるなら、それに越したことはないですよね。

そこでこの研究では、高齢者約1万人に健診と問診票による調査を実施し、その後3年間追跡調査しました。

その結果は、健診での検査結果よりも、問診結果の方が高齢者の健康寿命を1.3倍予測することが分かりました(下図)。

日本において検査ばかりに重きを置かれている節がありますが、高齢者の健康寿命を伸ばすためには検査よりも問診を行うCGAの方が重要である可能性を日本で初めて報告しました。

昨今テレビで健康番組が多く、健診結果に過剰に反応する人をよく診察するのですが、実際のところ、検査結果よりも元気にしているか、体重が減っていないか、地域の人と交流しているか、趣味活動をしているか、運動しているかなどを聞く方が大事なんです。

この結果が、超高齢社会を迎えた日本の健診のあり方を問い直す鍵となればと思います。

 

[1]Krogsbøll LT, Jørgensen KJ, Grønhøj Larsen C, Gøtzsche PC: General health checks in adults for reducing morbidity and mortality from disease. Cochrane systematic review and meta-analysis. BMJ 2012; 345: e7191.
[2]Braillon A, Bewley S, Pisinger C, Fisken RA, Richmond C: NHS health checks are a waste of resources. BMJ 2015; 350: h1006.
[3]Ellis G, Whitehead MA, O’Neill D, Langhorne P, Robinson D: Comprehensive geriatric assessment for older adults admitted to hospital. Cochrane Database Syst Rev 2011; (7): CD006211.

誰もが学ぶべき「学び方」についての学び

先日「学び方について学び」を得てきました。

友人のまーぼーこと古瀬正也氏のfacebookが盛り上がっており、アーリック・ボーザー著の「Learn Better」の読書会に行ってきました。

会に参加し始めた時、なぜ私は、この会に参加したのか改めて自分に問いました。

そして大きく2つ目的があることに気づきました。

①子育てのため

まだ生まれてはないんですがw子育ての要点を、一つ一つのテクニックや戦術に惑わされず、全容を知った上で、体系立った軸をベースに教育したいと思いました。

②高校生向けの講演のため

ちょうど明日に中高校生に講演する機会があり、中高校生の学びのためにどんなことを話すべきか参加する前に悩んでいました。またワークショップも予定しており、読書会でのワークショップのやり方が私の知らない方式を採用していたので、それがどんなのか知りたかった面もありました。

一応付け足しとしては自分自身の学習効率を上げるためという意図もありました(そして想像以上に自分の学びになりました)。

 

学びにおける6つのフェーズ


Lean Betterによると、学びには6つのフェーズがあります。

①価値を見出す(Value)自分にとって、これは重要だ!と思う。
②目標を決める(Target)目標を決め、プロセスに分け、計画する。
③能力を伸ばす(Develop)実行する。モニタリングやフィードバックする。
④発展させる(Extend)基礎から踏み出して、知識を応用する。要約、人に説明、発表など。
⑤関連づける(Ralate)すべてがどう噛み合うかが分かる。構造の理解。
⑥再考する(Rethink)見直す

以下に①~⑥の学びを羅列します。

 

①価値を見出す(Value)


価値を見出すこと。これが最も重要
・価値を見出すには、「自分との関連性」が必要。関係のあることに、価値がある。
意味のない学びほどつまらないものはない
・モチベーション=費用(コスト)+効果(価値)+期待感
・大事だと言われても逆効果のことがある
・理性と感情(情動)で人は動く
・知的努力には、伝染性がある(同調圧力のいい側面)
→例)エリート校の成果を支えるのは同級生(※校舎、先生、カリキュラムではない)

 

②目標を決める(Target)


・学習は、順序立てて、プロセスを追って行うもの
・一つ一つ進めていくためには、計画や目標設定が必要

 

③能力を伸ばす(Develop)


・自分を改善する方法を探さない事が多い
→例)小学校を卒業してからは真剣に字の練習をしない
・モニタリングとフィードバックが重要
→悪い例)バスケの練習で、入った本数も記録しない
→良い例)医療チームが、手術中のミスをすべて書き出す
・フィードバックは徐々に少なくするとよい
・常にレベルを上げていく。少し背伸びした状態になるように

 

④発展させる(Extend)


・学習とは、外から脳にしまい込むことではない
・学習とは、生産活動(結びつけるプロセス)である
→悪い例)マーカーを繰り返し引く、繰り返し読む
→良い例)要約する、ブログにアウトプットする
→良い例)高校生の授業でインターネット上に作品集を作る
・多様性のある環境で違いに気づき、人は賢くなる

 

⑤関連づける(Ralate)


・専門知識とは、表層の知識や単体の知識ではない
専門知識とは、体系化・ネットワーク化かれた知識
・専門知識があると、つながりや関係性が見えており、応用することができる
・習熟すると無意識化し、脳に空きスペースができてさらに深めることができる
・学習するとき、脳では、既にある知識+新しい知識を「束ねる」イメージで行われる
・メタ認知、俯瞰的にみられるとよい

 

⑥再考する(Rethink)


・専門性を深めるほどに、自分が正しいと思いがち
・常に考えを見直す必要がある

 

学び方を学ぶと、どんなことにも応用できます。人生100年時代なので、生涯学ぶことを考えると、その学び方に関する知識を持っておくとよいと思います。

今回まさに、学び方に関する断片的な知識がつながり、自分の中で学び方について知識を束ね、体系化することができました。

一番大事なのは、やはり「価値を見出すこと」ですね。意味のない学びほどつまらないものはありません。

子育てにおいても同じです。子どもに意味に気付かせてあげられるかもしれないですし、最も大事なのは何に意味を感じたかを見て、それを追求させてあげられる環境を整えることだと思いました。

インキュベーション施設は寮みたいなもの

押上にあるインキュベーション施設に行ってきました!

Center of GARAGEは、ベンチャー、町工場、大企業の三者連携を実現する、リアルテック・ベンチャーのインキュベーション施設だそうです。研究開発型や、ものづくりに特化した世界中のベンチャーに対して、イノベーションを加速させるためのあらゆるサポートを提供してくれるみたいです。

シェアスペース。ガレージを改装していて広い。

個室もありシェアスペースもあって、イベントスペースもあって、同じようなフェーズの仲間がいて、寮みたいな感じが好きです。

研修医時代に寮生活をしていて、とても楽しかったのを思い出します。

また「エリート校の成果を支えるのは同級生」。

校舎、教授やカリキュラムは二の次です。

こういうところでやると、いい情報や刺激をもらって頑張れるんですよね。

私も現在東京都が支援してくれているASACに入居していますが、本当にいい環境です。

昨日はこのCenter of GARAGEに入居しているNeurospaceの小林さんと飲んできました。

睡眠×テクノロジーで、良質な睡眠が取れるサービスを作っています。

資金調達をすでに何回もしており、チームは9人程度で売上もしっかりあがっていてすごいです。

ヘルスケアにおけるB-B-Cという同じビジネスモデルでやっているのでためになる話を沢山聞かせてもらえました。

PR活動に力を入れ、まずは一社にうまく導入してもらって、そこから広げていけば、行ける気がしてきました。

起業家同士の交流はいいですね〜。当分はそんな場所を提供してくれる施設でやっていたいです。

「幸せな」金持ちになる秘訣。10年ぶりに読んだユダヤ人大富豪の教え

もうすぐ引っ越しをするので、連休は家の片付けや新生活に必要なものを買いに行ってきました。

本棚を整理するために、リサイクルに出すものと持っていくものを分けているのですが、面白い本はすらすらでも全部読み直してしまうので時間がかかります(笑)

その中で特に胸に響いたのが「ユダヤ人大富豪の教え」でした。

会計、法務、営業、PRなど起業に必要な知識を得る本ではなく、自分の在り方を示す本を久しぶりに読んだ気がします。

大学時代を思いだすようで心地よく、今読んだからこそ得られる新たな示唆をもらえました。旧友から譲り受けた本で、これは次の人生にお供させようと思います。

 

「ユダヤ人大富豪の教え」からの学び


この本は実話をもとに20歳の主人公が、渡米中にユダヤ人大富豪の老人から「幸せな」金持ちになる秘訣を色々と教えてもらうスタイルで話が進みます。

色んな本で似たようなことが書いてありますが、この本は余計な情報が削ぎ落とされていて、本当に大事なことだけを分かりやすく書いてあります。

大学生の頃に読んだ時から色んな経験を経て、書いてあることの意味が分かったり、実体験として納得することばかりです。

例えば、ビジネス成功の5原則を以下の5つに分けています。

1.好きなことを見つける
2.そのビジネスで成功に必要なことをすべて学ぶ
3.小さくスタート、短期間で大きくしない
4.儲かるシステムを作る
5.自分がいなくても回るシステムを作る

この5つのうち私は1はやってきて、2と3を実践中です。4をなんとか実現しようと模索中で、5はまだ先ですね。

この他にも、

スピーチの天才になりなさい。どこに行っても、自分の考えを1分ではっきり、さわやかに感情に訴えて話せるように準備しなさい。

と書いてありますが、私自身自分の事業を1分(や10秒)でプレゼンしないといけない場面も多く、必要性を感じています。感情に訴えるのが大事ですね。もっとできるようにしたいスキルです。

またシンプルにビジネスの本質として、以下の2点を心に留めておきたいと思いました。

君が提供したサービスの量と質=君が受け取る報酬額

ビジネス=人がお金を払ってもいいと思えるくらい価値あるサービスやものを提供すること

予防医学はビジネスにしにくいと言われますが、お金を払っていもいいと思ってもらえるサービスやモノを提供できれば、予防医学だろうと上手くいくということです。

 

売れるのが当たり前というイメージをもつ


ユダヤ人大富豪は営業のスペシャリストであり、営業において一番大事だと言い切ったのが「イメージ」です。

ものを売るときは、売れるのが当たり前という感じをもつことがいちばん大切だ。この素晴らしい商品なら間違いなく飛ぶように売れるとイメージすることだ。

これから私が実際に製品を売っていくときに、意識したいと思いました。

また一人ひとりを大切にするとよいことが腑に落ちる考え方として、

「300人の知り合いがいれば、その先に300×300=90,000人がいて、その先に300×300×300=27,000,000人がいる。」という話がありました。

実際にfacebookで友達は300人以上いますし、その友達にも300人以上いることが多いです。

周りを大事にすれば、知り合いの知り合いの知り合いまで辿るだけで2700万人いる計算です。実際には友達はかぶりますが、それでも1000人以上友達がいる人もいたり、その先まで伝わることも考えれば、波紋のように広がると考えていいでしょう。

本当に素晴らしいもので、心の底から買った方がいいと思えるものを作れば、人づてに売れていくわけです。

 

尊大にならずにセルフイメージを上げる


もちろん本著ではサービスが売れるイメージだけでなく、セルフイメージの大切さにも触れています。

私は、偉そうにしたくないという気持ちが強く、高いセルフイメージを持つこととの両立に難しさを感じるのですが、よいセルフイメージはありありと描いて、実現していきたいですね。

「ビジネスで運動器疾患予防に立ち向かう新進気鋭の起業家医師」という感じでしょうか?

書いていて恥ずかしい(笑)

でもまぁ、気づいた折々でセルフイメージを上げていきます。

ワクワクするような目標を立て、目標を達成したところをイメージして楽しむ。目標を細分化し、具体的な行動ステップに落とし込む。

 

10メートルの高さを1回のジャンプで飛ぶことはできない。だが、30段の階段をつければ、なんてことはないんだよ。

 

当たり前のような本質をひと通り見返すことができる名著でした。

僕が総合診療医をやめて診療を「足」に特化した理由

ご無沙汰しています。久々の更新です。

最近は本当に日々が充実していて、毎日が面白いです。

facebookではちょこちょこ何をしているか分かる投稿をしていますが、ブログにはなかなか手が回っていませんでした。

プロフィールも修正したのですが、一番の変化は、4月から診療を「足」に特化したことでしょうか?

実は総合診療医を辞めました。起業と研究もしているので、診療には週1-2日しか取れず、総合診療医としての定期診療を一旦終えることにしました。

ただ気持ちは患者さんと真摯に向き合う総合診療医のままです。専門外でも貪欲に学ぶ精神は一生忘れないつもりです。

 

足病医になった経緯


学生時代に予防医療が絶対に今後の世界で重要!と感じ、予防に関することを手当たり次第やってきました。

食事、運動、ヨガ、睡眠、呼吸法など、みなさんが「健康」と言われたときに思い浮かべることはひとしきりイベントを開催したり、本を読み漁ったりしてきました。

その中で、まだ十分に認識されていなかったり、社会実装されていないのが、SDH(Social Determinants of Health;健康における社会的決定要因)と運動器予防だと思います。

健康は個人の問題だと思われがちですが、もっと上流の原因には、社会環境や住環境、職場環境などがあります。

また運動器予防が本当になされていないなぁと痛感しています。運動器とは骨や筋肉に関することで、関節の痛みや腰痛、肩こりなどです。

街で歩いていても、「この人は将来100%膝を痛めるだろうな」とか分かってしまう人が沢山います。女性だと1割くらいいますね。

なぜそんなことが分かるようになったかと言うと、自分自身がそうだと気づいたからです。

私自身がO脚で扁平足で、歩き方が汚かったんです。。。なかなか気づかなかったのですが、結構ヤバかったです。

今は日々、自分の身体の使い方を意識して、洗練させていこうとしていますが、時間がかかるし、モチベーションの維持が大変です。

こんなのはすぐに日本中、世界中の人が治せるものではありません。例えば「歩き方を綺麗にする」なんて優先度の高いものではないです。

そんなことより、仕事が忙しい!とか、彼女が欲しい!とか、iPhoneの新しいのが欲しい!とかそんなことの方が優先されがちです。

だからと言ってほうっておけば、将来膝や腰を痛めます。現在の65歳以上の高齢者の2-3割が膝や腰が痛く、両方合わせると2人に1人は困っています。身体の使い方がよくないと、痛みを抱えるおじいちゃん・おばあちゃんになると思った方がいいですね。

世界中で問題になっており、アメリカで22.7%、ヨーロッパでも22%の人が筋骨格系の問題があり、最も頻度が高い健康障害と報告されています[1][2]。

医療費も循環器疾患、癌の次に運動器疾患がきますし、要介護の主要な原因でもあり、関節疾患と骨折・転倒を合わせると25.4%にのぼります(平成28年国民生活基礎調査)。

生活習慣病と同じくらい大事なのに、生活習慣病に比べると大した対策がなされていません。

これは、自分の人生をかける価値があるなと思いました。

そういうわけで、総合診療医から足を専門に診る「足病医(そくびょうい)」に転身することを決心しました。

 

足病医とは?


私の場合は、足専門の整形外科医のようなものです。

病気はだいたいが、慢性的なストレスによって発症しています。例えば糖尿病は慢性的に血糖値が高いことで合併症を起こします。血圧も、慢性的に高いから脳出血などするわけで、一時的に高くなっても身体は対応できるのです。

運動器疾患も同様で、慢性的に膝の関節や腰の骨にストレスがかかっているせいで、変形してきたり、痛みになるわけです。

特に重力がかかる足、膝、腰あたりが問題になってきます。肘や肩があまり変形しないのは、重力による負担があまりないからです。

逆に言うと、一番重みを支える足は、結構たいへんなんです。片足だけで28個も骨がある足は、色んな地面でも対応できる柔軟性と、推進力を出す硬さの両方を兼ね備えます。

つまり運動器の予防において「足」はとても大事なんです。

満足は、「足が満ちる」と書きますし(本当は足りるという使い方ですがw)。

整形疾患で実際に多く診るのは外反母趾や扁平足、足底腱膜炎などですが、足病医は、それ以外に巻爪、皮膚トラブル、むくみ、静脈瘤や糖尿病の足病変なども診ます。

 

おわりに


そんなわけで、現在は起業や研究もしながら、足病医として働いています。下北沢病院というアジア初の足の専門病院で研修・診療させて頂いています。診療日は毎日エコーを使って、患者さんの足の悩みと向き合っています。

何か足に関してお悩みがあれば、どうぞご相談下さい。

 

[1]Centers for Disease Control and Prevention. Prevalence of Doctor-Diagnosed Arthritis and Arthritis- Attributable Activity Limitation – United States, 2010-2012. MMWR 2013;62:869-873.

[2]The European Musculoskeletal Surveillance and Information Network. Musculoskeletal health status in Europe. (www.eumusc.net)

食品工場で使う塩分が減ると、私たちの塩分摂取量が減る

時々大学院で勉強をしているのですが、そこでの学びを少し書きます。

格差は健康によくないことが分かっています。

例えば、親の収入が子供の寿命に影響しますし、教育を受けた期間が長いほど健康寿命が伸びることも分かっています。

これからはそういった社会経済的状況(social economic status;SES)の格差を埋めて、誰もが健康に自分らしくいられる社会にすべきです。

しかし社会経済的状況(SES)が低い場合、知識、名声、権力、有益な人間関係などの資源を持っていないため、収入を少し増やすだけでは簡単には健康になれません。

例えるなら川の流れのようであり、支流を1つ2つ抑えたとしても、他のところから流れ出てきて抑えられないのです。

かかりつけの患者さんでもそういった方がおり、時々診察する程度ではどうしようもないなと思うこともあります。これは色んな資源が足りていないからなのだとはっきり認識しました。簡単には格差は埋まらないんですね。。

確かに私自身を支えてくれている資源も、家族、仲間、先輩、地域の方々、先生などのサポートがあり、これまでの成功体験、知識、人にサポートを受ける力、コミュニケーション能力などを培うことができたおかげです。

この格差を埋めるには、個人レベルや集団レベルなど様々なレベルにアプローチする必要があります[1]。

例えば禁煙対策には禁煙外来で個人にアプローチする方法と、政策としてタバコの値段を上げる方法があります。

減塩するためには栄養指導で塩分減らすように言うのも大事ですが、実は塩分摂取量は、工場での塩分消費量とぴったり比例して下がってきています。

出典:[2]より作成した近藤克則先生スライドより引用

工場で使う塩分が減ると、私たちの塩分摂取量が減るわけです。

このように社会環境を変えてしまえば、効率的に国民を健康にすることができるわけです。

私は、禁煙や減塩して脳卒中などを予防するように、姿勢や歩き方を綺麗にして腰や膝の痛みを予防したいと考えています。

そのために様々なレベルに分けてアプローチ方法を考え、実行していきたいですね。

 

参考文献

[1]イチローカワチ著、高尾総司監修・翻訳「社会疫学

[2]http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21/eiyouchousa/keinen_henka_eiyou.html、http://www.mof.go.jp/tab_salt/reference/salt_result/data.htm、http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou.pdf

自分にしかできないことなんてないと

誰もやっていないこと、というのは難しいのかもしれない


先日日本健康会議2017に参加してきて、今更ながらそんなことを考えました。

健康経営銘柄の必要性を自分で1年ほど前から考えていたら、この日本健康会議が行い始め、企業向けに色んな健康サービスを考えていましたが、いよいよ日本全国で成功事例が増え始め、ヘルスケア領域で自分でしようと思ったことは、どんどん誰かがやっていくのだと思い知らされました。

ただ必ずしも誰もやっていないものを作る必要はありません。

海外の製品を輸入することや、何かと何かを合わせたものが売れることは多々あります。

逆にGoogle glassなど、全く新しいものは受け入れられていなかったものもあります。

全く新しいことにこだわらず、むしろ少しは誰かがやっていることでも広まっていないものであれば、自分たちのバリューを乗せて売り出してもいくのもよいのだと気付きました。

 

「自分にしかできないこと」にこだわっていた


最近自分にしかできないことなんてないんじゃないかと悲観していました。

自分がやらなくても社会はヘルスケアの発展が進むとか、自分が医師として働かなくても色んな力が働いてその人は助かっただろうとか、宇宙的視点で見れば大して何も変わらないとか考えて、コンプレックスになっていたように思います。

親や家族に対してできることなど、小さな範囲で言えば自分にしかできないことは必ずあります。

きちんとそういう目で見つめればあります。

ただ社会に大きな変革をもたらすような「自分にしかできないこと」をいきなり行うのは難しく、自分のスキルを磨き、できることを少しずつ深めたり広められれば、自分にしかできないことが大きくなるでしょう。

ちょっとずつだろうし、自分がどこまでいくのかは分かりませんが、一歩一歩やっていくしかないと思います。

いつも自分は本当に天才じゃないと思い知らされますが、10000時間かけると天才になるとも言います。

そんな夢中になれることがあるのか?と自問したら、私にはありました。予防ですね。

 

「歩き方」が予防に重要


今は予防の中でも、腰や膝の痛み予防に取り組んでいます。

身体の痛みは、バイオメカニクス的に複雑なので、一つの病気に対して原因がいくつもあります。

数学の問題では答えは一つですが、身体の痛みの答えは人によって変わるわけです。
痛みの原因の一つに「歩き方」があり、現在その歩き方を解析するスマートヒールを開発しています。

現在スマートヒールの実証実験中で、その結果しだいでスマートヒールがいけそうか、そうでもないかが分かるというところにきています。

スタートアップのやりたいことと社会に受け入れられるものとを合わせることの難しさが分かってきましたが、なんとか未来につながる次の一歩をしっかり見極めてやっていこうと思います。

 

身体にまつわる役立つ情報はコチラ(ジャパンヘルスケアのブログ)で書いてます。