「仕事は楽しいかね」という本を読みました。
この本は非常に薄く、ストーリーがある本ですぐに読めてしまいます。
にもかかわらず深みのある本です。
今回本を読んだあとに、面白かった内容をまとめるためにドッグイヤーをしたところ、ほとんどのページを折り曲げてしまいました(笑)
すぐに読めてしまいますし、とてもおもしろいのでぜひ買って読んで頂ければと思いますが、私の備忘録も兼ねて少し話をまとめて抜粋したいと思います。
人は、変化は大嫌いだが、試してみることは大好きなんだ
この本は、真面目に働いてきた35歳のビジネスマンが、雪で飛行機が飛ばなくなり空港で足止めされて、その夜に起業家として巨万の富を築いたおじさんに仕事の本質について色々と話してもらい、一晩にして生き方が変わる、という形で話が進みます。
まず「仕事は楽しいかね?」と聞かれ、「人生とは、くだらないことが一つまた一つと続いていくのではない。一つのくだらないことが<何度も>繰り返されていくのだよ。」と説かれます。くだらないことが続くな、と思ったら何かを変えた方がいいでしょう。
どう変えるのか?それは、試すこと。
試すことに失敗はない
この本の最も重要なキーワードは「試すこと」です。
「人は、変化は大嫌いだが、試してみることは大好きなんだ。」「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る。」「きみたちの事業は、試してみた結果失敗に終わったんじゃない。試すこと自体が欠落していたんだ。」「明日は今日と違う自分になる、だよ」と数多くの胸に響くフレーズが例を交えて続きます。
例えば、アップル・コンピューターを作ったスティーブ・ウォズニアックが第一号をどんな理由で作ったかというと、自家製コンピュータークラブの仲間にただ自慢げに見せただけだそうです。そのコンピューターを売るというアイデアもなく、友人のスティーブ・ジョブスにすすめられたのが始まりでした。
試した結果、偶然が生まれます。「必要は発明の母かもしれない。だけど、偶然は発明の父なんだ」とあるように、偶然を味方にすることが大事です。
もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?
偶然のチャンスを見逃さない、というのは思ったよりも難しいかもしれません。「もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?」「だれだって、後からだったら、何だって言える。革新というのは簡単そうに見えるものなんだ、後から見ればね」
例えば、コカ・コーラの話。
コカ・コーラの創始者であるジョン・ペンバートンは、もとは薬屋でした。何十種類もの治療薬を考案して販売していました。ある日、二人の従業員が勝手に新しく作ったシロップの頭痛薬を水で割って飲んでいました。ペンバートンはその時、ソーダを入れたらもっと美味しいんじゃないかと考え、コカ・コーラという名前をつけて店で売ることにしました。
あなたなら頭痛薬を勝手に飲んでいる従業員を見てどうしますか?普通なら怒りますよね?それをソーダにしたらもっと美味しいと言って売り始めたところがコカ・コーラ創始者のすごいところです。
次にリーバイスの話。
リーバイ・ストラウスは、金採掘の鉱夫に必需品を売って儲けようとしたが、テント用の汚い帆布だけ売れませんでした。なんとか売ろうとするも売れず、市場でズボンが品薄になっていることに気づき、テントの生地でオーバーオールを作らせました。そうすると採掘に必要な丈夫なズボンとなり、金の採掘には行けなくなりましたが、見事に金を掘り当てたのでした。
この例でも、ズボンを売って欲しいと言われたときに、「うちはテントの帆布しかないんだ!」と言わずに、偶然のチャンスをきっちり掴んでいます。「売れ残ったテント用の帆布を使って 何をすべきか考え続けてこそ、リーバイスのジーンズを思いつくことができる」わけです。
問題を解決しなくてもいい。仲良くなる方法もある
また問題を解決せずに、仲良くなるという方法もあります。
例えば、マジックテープをつくった人は、オナモミの実(引っ付き虫)がウールの服について、払い落とすのに困りました。しかしそこでどんなふうにくっついているのか気になり、顕微鏡で見たところトゲトゲが小さな鈎(かぎ)になっており、ウールの生地は糸の輪になっていることを知ります。つまり実の鈎が、服の糸の輪に引っかかっていました。そして何年も実験を繰り返してようやくオナモミの構造を再現することができ、ベルクロ(マジックテープ)を作ったのです。
私も、「自分の歩き方は見えない」という問題と仲良くなってもいいんだなと思いました。
10回中9回失敗するチャレンジだったとしても
チャンスを掴んでも100%成功するわけではありません。むしろ10回中9回は失敗に終わるかもしれません。しかし知っておいてほしいのは「成功の宝くじでは、勝つチャンスは何百と手に入るし、そのほとんどは大損するようなものじゃない」といいます。
例えば、自分が家や車なども合わせて全財産1000万円の資産を持っていて、相手が1億円を賭け、サイコロの目の大きい方が総取りするような勝負があるとします。五分五分で10倍のお金が手に入るとしても、奥さんのことやすべてがなくなることを考えたら勝負には出られないでしょう。でももし持っているものが半分に減るだけだとしたら少しは積極的になるかもしれません。
あらゆるものを変えて、さらにもう一度変えること
そして10回中9回の失敗ではなく、10回中8回くらいに確率を上げる方法は、よくしていくことです。「あらゆるものを変えて、さらにもう一度変えること」。
例えば、赤字状態が続いていた紳士服屋の話。
店の中にあるあらゆる商品を並べ替えること、開店時間を朝早くに変えること、熱帯魚の入った大きな水槽を買うことをコンサルタントに言われました。そのとおりにしてみると、水槽の置いてある紳士服の店なんて見たことがなく、店員も創造的になり、出勤前のビジネスマンが入り、同じものでも客が違った風に見え、売上が30%伸びたそうです。
ウォルト・ディズニーも白雪姫の中で、井戸の底で水の向こうに映し出される顔が水面に揺れ、水のしずくがポタポタ落ちて、さーっと波紋が広がる様子を表現しました。まだコンピューター・アニメーションなんてなかった時代に。
私の学び
立派なビジョンを持って、それに向かって突き進んだわけじゃない。彼らはみんな、目標設定者でもなく計画立案者でもなかった。彼らは冒険者だったんだ。
孫さんやイチローみたいになろうとしなくていいんです。自分には自分の強みがあるし、自分の冒険を楽しめばいい。私はこの上なく冒険が好きです。自分の中で、心の声に従って色々試して生きてきたけれど、それでいいんだ!と自信になりました。今後も試していきましょう!
そして、これでいいやと満足してはいけないこと。さらによくすること。「こんなもんかな」と思うのではなく、「まず試しに作ってみた。そこで終わらずに、それをもっとよくしていこう!」と考えていきます。